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人気連載「みんなの部屋」vol.105。部屋づくりのアイディア、お気に入りの家具やアイテムなどの紹介を通して、リアルでさまざまな「暮らしの在り方」にフォーカスします。

ふたりの出会いはユニークです。インスタグラムで知り合いだった森口菜生(ナオ)さんの働く奈良のアパレルショップに、藤本周平さんが友だちと一緒に訪ねていったのが、はじまり。

とにかく人に会いに行くのが好き」な周平さん。以前から、気になる人を訪ねては記念写真を撮り続けていた彼も、初対面の菜生さんが「せっかく来てくれたんやし、今晩呑みいく?」と言ったのには、さすがに驚いたそう。

「同い年やったし、暇やったんで(笑)。『この辺、案内しよかー』くらいな感じで」(菜生さん)

キッチンに立つカップル

「さすがに驚きました。これがBEAMSか! これがアパレル業界か! って(笑)。で、次の日も休みということで、友だち含めて3人で一緒に奈良観光したんです」(周平さん)

それから頻繁に連絡を取り合うようになり、そして転勤で関東にやってきた菜生さんの部屋に周平さんが転がり込むようなかたちで、ふたり暮らしがはじまりました。

名前:藤本周平さん 森口菜生さん
職業:ショップスタッフ(周平さん) ショップスタッフ(菜生さん)
場所:神奈川県川崎市高津区
面積:28㎡
家賃:87,000円
築年数:築5年

お気に入りの場所

菜生さんがおいしい和食をふるまう、“実家レベル”のキッチン

菜生さんがおいしい和食をふるまう、“実家レベル”のキッチン

「お腹空いてないですか? お粗末でよければ、なんか作りますけど」(菜生さん)

取材中にそう提案してくれるや否や、すぐにキッチンで準備をはじめた菜生さん。「僕は、彼女の作るうどん焼きが一番好きです」という周平さんの意見は「うどん、ひと玉しかないわ」とピシャリと却下され、メニューは舞茸の混ぜごはんに。

料理
料理
同棲カップル

得意料理は? と聞けば、周平さんから「“揚げない唐揚げ”じゃないですかね?」という答え。すかさず、「それ、あんたが唐揚げ好きなだけやろ!」と菜生さん。夫婦漫才を見ているようで、なんとも微笑ましいのです。

「実家に住んでいた頃、週一でオカンの帰りが遅い日があって、そんときにはお父さんと晩酌用にごはん作ってて。お父さんに作るから、和食ばっかり。やから、あんましゃれた調味料とかはありません」(菜生さん)

炊き込みご飯
炊き込みご飯
美味しい食卓

実家でも腕を振るっていたというだけあって、さすが手際のよい菜生さん。あっという間に、料理ができあがりました。

食事するカップル

いただきま〜す」(ふたり)

コテコテの関西キャラと、混ぜごはんの素朴な薄味。そのバランスにホッとするのでした。

この部屋に決めた理由

同棲カップルの部屋

ふたりの暮らしは、ひとり暮らしをしていた菜生さんのところに周平さんが転がり込むかたちで、はじまりました。

「奈良からの転勤で、それまでは野ウサギがいるような田舎に住んでいたので、暮らし心地に関しては『言うて、東京やしな……』とか思ってたんです。でも、想像よりも静かで、えらい平和やなぁと」(菜生さん)

ドライフラワー

部屋の決め手のひとつは、窓が大きいこと

「出不精なので、休みの日はあんまり家から出ません。なので暗い部屋はいややなと思って」(菜生さん)

ひとりで暮らすには部屋が広めだったので、最初からふたり暮らしをするつもりで決めたんですか? と訊くと、「いえ!」と食い気味にひと言。

周平さんが、実家とこの部屋の行き来を繰り返すうちに、徐々に泊まる頻度が増え、「もうええやん!」とふたり暮らしにシフトしたそうです。

残念なところ

周平さんの“靴欲”に追いつかない収納

靴の収納

周平さんは、大のスニーカーフリーク。靴箱は当然のようにパンパンで、入りきらないスニーカーが玄関にまであふれています。

「収まりきらないのを実家に送っているので、実家の部屋はまるでスニーカーショップの倉庫状態です」(周平さん)

スニーカー

菜生さんが休みの日に、周平さんが通販で買ったスニーカーが突然届いたりすることもあるそう。

まあ、お好きにどうぞって感じですけど」と、もはや菜生さんは、あきれ&諦めた様子。それでも同じアパレル業界で働く彼女なだけに、そんな収集癖も理解してくれるのでは?

スニーカー

「ほんま、理解してる方やで! クロゼットの中にも、靴箱タワーできてるんですから」(菜生さん)

なるほど。周平さん、ここは早急に手を打つべし。

大きな窓のデメリット

大きな窓

「あと、結露すごいよね」(周平さん)

スニーカーの話題に形勢が悪くなった周平さん、話をムリヤリ逸らそうとします。窓が大きくて気に入った部屋も、冬場に暖房いらずなくらいに気密性が高いため、どうしても結露が発生してしまうのです。

ベランダでくつろぎたかった

くつろぐカップル

「あとは、ベランダがもう少し広かったらなぁ」(周平さん)

「なんであんたが言うん!」(菜生さん)

「イス置いて、くつろぎたいんですよね……」(周平さん)

実家でやりいや」(菜生さん)

お気に入りのアイテム

ドライフラワーは、華やかじゃないから好き

ドライフラワー

「華やかじゃないところです」(菜生さん)

部屋のいたるところに飾られたドライフラワーの魅力について、菜生さんはそんな風に教えてくれました。

ドライフラワー
ドライフラワー

「実家にいたときからドライフラワーを愛でるのが好きで。気に入ってたものは、空気の入った袋に入れて、その周りを段ボールで囲んで、決死の思いで実家から持ってきました(笑)」(菜生さん)

ドライフラワー

周平さんとふたりで二子玉川の河川敷に枝を拾いにいくこともあるそう。換気扇の上には、いまは部屋が狭くて置けないという、曰わく「めちゃくちゃイイ木」が逃がされているのでした。

いつでもどこにでも持ち歩くフィルムカメラ

フィルムカメラ

「いかにもカメラっぽいものより、箱のようなフォルムのものが好き」と、集めたフィルムカメラを見せてくれる周平さん。一番よく使うのは、「とりあえずパッと撮れる」という京セラ Tプルーフです。

「『作品がどうこう』みたいに格好つけるつもりはなくて。『記念撮影を、ちょっと高価なカメラでやる』みたいな感覚です」(周平さん)

小・中学生の頃から、写ルンですで友だちを撮るのが好きだったという周平さんは、大学時代に写真部に入り、そのディープな世界にのめり込んでいったそうです。その頃から、人と会うのも好きになっていったのだといいます。

趣味が高じて、いまでは職場で宣材用の写真を任されるほどに。

フィルムカメラ
カップル
撮影

「どこを見ればいいかわからないから、風景写真は撮りません。思わず笑ってしまった、というような自然な表情が好きなんです」(周平さん)

なるほど、だからは、いつだって誰かの笑顔でいっぱいなんですね。

おたがいに特定の柄を集めているバンダナ

特定の柄を集めているバンダナ
特定の柄を集めているバンダナ

「手前がおっちゃんので、奥がわたしのです」(菜生さん)

「なんでも集めはじめるとキリがないので、『この柄を見つけたときだけ』って決めて買うようにしてます」(周平さん)

暮らしのアイデア

オリジナルを好みどおりに、そして使いやすくアレンジ

BEAMS別注のコールマンに、軍モノのテントを被せた

菜生さんの家具選びのポイントは、飾り気がないこと

「変にしゃれたのは、あんまり好きじゃないので」(菜生さん)

BEAMS別注のコールマンに、軍モノのテントを被せた

なるほどたしかに、部屋を見わたすと、ニス塗りされていないリンゴ箱を使った収納ボックス、軍モノの2シーターなど、男の子が好きそうな無骨なにおいのするインテリアが目立ちます。

「実はこの2シーターは、BEAMS別注のコールマンに、軍モノのテントを被せただけなんです」(菜生さん)

アパレル

「一時期は、4、50年代のフレンチアーミーとかで、状態がいいものを探すのに注力してたときがあって」と話すように、菜生さんは大の軍モノ好き。

基本的にメンズものばかり着るという菜生さんの服を、周平さんが借りて着ることも多いのだといいます。

アパレル

「軍モノのボトムなんかは、ベルトでぎゃんぎゃんに絞ってはいたりとかしてるので。でも、最近はそんなに借りなくなったよな?」(菜生さん)

「服の量が増えたのもあって。というのも、ふたりで古着屋に行って彼女の買いものを見てると、つられて『おれも買おっかなー』って(笑)」(周平さん)

BEAMSで買ったスツールも、独自のアレンジを加えて、ベッドサイドテーブルとして
BEAMSで買ったスツールも、独自のアレンジを加えて、ベッドサイドテーブルとして
BEAMSで買ったスツールも、独自のアレンジを加えて、ベッドサイドテーブルとして

同じくBEAMSで買ったスツールも、独自のアレンジを加えて、ベッドサイドテーブルとして使われていました。

「元がツルツルすべる素材なので、メガネや携帯を置きやすいように、バンダナを被せてみたんです」(菜生さん)

これからの暮らし

カップル

「まだ画面のなかでしか写真を見せてないので、Tシャツに転写するとか、なにか別のかたちにしてみたいですね」(周平さん)

2018年の目標を、そんな風に語ってくれた周平さん。個展を開くというより、限られた人に向けて写真を見せていく方法を探しているそうです。

「わたしは、ミシンを買いたいです。例の軍モノテントがまだちょっと余ってるので、それでなにか作ってみたいなーって」(菜生さん)



仲のいい兄妹のようで、熟年夫婦のようで。そんなふたりとの時間は、終始しゃべりっぱなし、笑いっぱなしでした。取ってつけた“華やかさ”や“飾り気”なんて、これからもふたりの部屋には必要なさそうです。

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Photographed by Masahiro Kosaka

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